トップ > リフォームの部
 
納谷 学+納谷 新 納谷建築設計事務所
「海神の住宅」
堀場 弘/工藤 和美 シーラカンスK&H(株)
「SOHO「FY」
大薮 義章  大藪義章建築計画所
「包」
関 洋  セキデザインスタジオ
「ふたりのカタチ」
大野 明彦 室内楽
「落ちた家」
新堀 和巳 (有)新堀和巳建築設計室
「住み継がれていく家(佐藤邸リノベーション)」
石田 雅也 関西ビジネスインフォメーション(株) 
「House Re-Birth・MINOH」
南野 江以子 (株)ハーツ
「オープンキッチンはベスト空間
(LDKはいつもにぎやか)」
駒井 美穂子 K*CRAFTS
「縁側的リビングダイニング
〜築33年のマンションリフォーム〜」
程塚 弘享 (株)クラッセル
「新旧共存」
加納 知代子 大阪ガス住宅設備(株)
「よみがえる家 リバイブ」
杉浦 英一  (株)杉浦英一建築設計事務所
「上池台のスケルトンリフォーム」
三木 恵美子(株)向陽ガスリビングセンター
「すっきりとした生活空間に」
目片 安子  (株)かつらぎ
「ポジティブな暮らし」
中安 博司 建築工房N設計
「和から新たな和へ」
斉藤 佳美 東京ガスリモデリング(株)
「自然素材で心地よいオアシス」

 リフォームの部も、秀逸な作品が多く見受けられました。どれも500〜1000万円程度というの予算金額から想像する以上に、迫力あるリフォームを実現しています。
大胆な新旧の対比によりオリジナルの建物がもつ可能性を見せた「海神の住宅」。明快なコンセプトと潔さのある、魅力的な作品でした。そして、個性的な施主が倉庫をリノベーションした「SOHO「FY」」。以前の建物の持ち味を上手に残しながらリフォームした情感豊かな「ふたりのカタチ」。以上3作品は、いずれも最優秀賞にふさわしい作品だったと思います。
リフォームとは、過去の空間の記憶を残しつつ新しいしつらえを楽しむ、意義深い行為です。単純に熱環境だけに的を絞っても審査はできません。既存の建築が、あたたかな住空間として住み継がれることにも大きな価値があるからです。といいながら、結局は理屈ではない、感性に訴えてくる作品に投票をしてしまったような気もしています。

 

 それぞれの作品に特徴がよく表れていて、プレゼンテーションを聞くのも審査をするのも楽しかったです。住まい手の住まいに対する考え方が、新築の場合以上に色濃く反映されるのがリフォームなのかもしれません。
元の建物の記憶を残しながら、新しいデザインを取り入れたり、増築ならぬ減築まで採用して空間の流れを作り直した「海神の住宅」。本歌取りとでもいうべき手法が鮮やかで、味わい深い古い部分をも見事に蘇らせたリフォームです。「ふたりのカタチ」は、整理された素材の使い方や、窓による景色の切り取り方など、その美しさには目を見張るものがあります。「SOHO「FY」」では、螺旋階段をアクセントとしたハイテックな造り、無駄を削ぎ落とした贅肉の無い空間に、新しい住まいのあり方を見せられました。「包」は、外から人を呼び込む仕掛けや光を取り込む開口計画に、高齢者が活き活き暮らすための配慮があります。

 

 やはり審査ポイントは@環境共生、A省エネルギー、B家族と家の共生(だんらん)。しかし実際には、厳しい予算の中ですべてを入れていくことは難しいかと思います。
新しい部分と古い部分を対比させた「海神の住宅」は、新旧のえも言われぬ調和と、シンボルツリーの役割を担う桜の存在のさせ方が素晴らしかった。「SOHO「FY」」は、冬は寒そう、といったネガティブ要因以上に圧倒的な新鮮みのある試みでした。「包」は、おばあちゃんと娘世帯の長屋2軒をつなげ、高齢者の暮らしを活気で彩る空間を創造。ここに住むおばあちゃんが気に入っているというのが、いいですね。「落ちた家」はスケルトンリフォームというべき手法で、ほぼ建て替えと同じ考え方で設計されているのが惜しい気がします。しかし、他の作品と同様、低予算の中で大きな努力をされたと察せられます。
最優秀賞候補5作品に集合住宅が入っていなかったのも今年の特徴ですね。