新築の部 リフォームの部 実地概要 作品展巡回のお知らせ
トップ > 新築の部
 
岩本 弘光 (株)岩本弘光建築研究所
「富士山荘」
中辻 正明+中辻 雅江 
中辻正明・都市建築研究室
「Case#11 桂台の住宅」
三村 大介+田口 陽子  (有)三村建築環境設計事務所+東京工業大学
「YSD」
板東 みさ子+小林 貞夫  (有)アトリエB’s
「風知草の家」
中山 薫+盛 勝宣 FISH+ARCHITECTS
「HOUSE IN SASAZUKA」
納谷 学+納谷 新 納谷建築設計事務所
「調布の住宅」
石橋 清志 (株)石橋清志建築設計事務所
「津の家 Tsu RESIDENCE」」
大草 徹也 
「稲毛台のコートハウス」
大戸 浩 建築計画網・大系舎
「NA-HOUSE」
横関 正人 (有)NEO GEO
「萱振町の家」
糸井 裕構 D3 Studio
「Vis-a-Vis(ヴィザヴィ)」
北野 彰作 北野彰作建築研究所
「三角の京町屋」
 

 今年は、1次審査を通過した最優秀賞候補作品のレベルが例年以上に高い水準で拮抗していました。その中で順位をつける際に大切にしたのは、「あたたかな住空間デザイン」という命題に対していかに取り組んでいるか、という視点です。このコンペの趣旨をもう一度とらえ直し、尊重するべきではないかと考えたからです。最優秀賞となった「富士山荘」は、富士山麓という土地柄もあって、熱環境について非常によく考えられています。また、敷地に対して45°振った配置計画や建具のあり方など、筋の通った設計意図を貫く姿勢が感じられました。優秀賞「Case♯11 桂台の住宅」は、良好な熱環境をつくるために建築に何ができるか、という発想が生んだ断面計画の面白さが際立っていました。狭い中に楽しげなスペースが盛り込まれていたのもよかったです。条件が厳しいほどいいアイデアが閃きやすいものかもしれません。

 

 最優秀候補作品には、狭小敷地に建つ都市型の住宅が目立ち、巨大な家というのがなかった。これが、今年の作品に共通する傾向だったように思います。
このコンペティションでは、住空間における熱環境の問題をどう処理するかということが審査の最大のポイントとなるわけですが、最優秀賞「富士山荘」、優秀賞「Case♯11 桂台の住宅」はその点で特に秀でていました。「富士山荘」は、現在のところ別荘として使っていて将来的に終の棲家にするという作品でした。それを‘住空間’といっていいのだろうか?と疑問符をつけたくなる気持ちも否めませんでした。しかし、快適な熱環境の創造に対する素晴らしい試みについてはやはり純粋に評価すべきでしょうし、魅力的な造形にも惹かれます。「Case♯11 桂台の住宅」はエアコン1機で昨夏の猛暑を乗り切ったというから驚きです。そして、狭い中をうまく計画されているのに感心させられました。

 

 全体的にレベルが高く、どの作品にも深い感銘を受けました。特に狭い敷地に対する工夫や、快適な熱環境を作り出すために頭をひねり心を砕いたことが如実に伝わってくる作品も多く、設計者の方々の姿勢に頭が下がる思いがしました。
第二次審査では、3つのポイントを特に意識して審査をしました。それは、@自然環境との共生、A省エネルギー(熱の有効活用)、B家族と家の共生(だんらん)、の3点です。庭と家の一体感があり、やすらぎと潤いを感じさせる「風知草の家」は、素直にいいなぁと思いました。「富士山荘」は、旭川レベルの厳寒の土地でありながら1月暖房費が1万5千円程度に抑えられているのに驚きました。あたたかな住空間のための創意工夫に満ちていましたし、雪を断熱材としてとらえるといった発想や緻密な設計に好感が持てました。「Case♯11 桂台の住宅」は、空気調和に対する工夫が目を引きました。