今年は、1次審査を通過した最優秀賞候補作品のレベルが例年以上に高い水準で拮抗していました。その中で順位をつける際に大切にしたのは、「あたたかな住空間デザイン」という命題に対していかに取り組んでいるか、という視点です。このコンペの趣旨をもう一度とらえ直し、尊重するべきではないかと考えたからです。最優秀賞となった「富士山荘」は、富士山麓という土地柄もあって、熱環境について非常によく考えられています。また、敷地に対して45°振った配置計画や建具のあり方など、筋の通った設計意図を貫く姿勢が感じられました。優秀賞「Case♯11 桂台の住宅」は、良好な熱環境をつくるために建築に何ができるか、という発想が生んだ断面計画の面白さが際立っていました。狭い中に楽しげなスペースが盛り込まれていたのもよかったです。条件が厳しいほどいいアイデアが閃きやすいものかもしれません。 |